省エネルギー漫談

省エネルギー漫談2

2020/06/17

省エネルギー漫談とは?

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こだわりを持つ男

所長 このエコキュート、出口温度が90℃まで上がらないよ。

業者 今、季節は夏なので、省エネルギーモードで運転中です。

所長 でも、仕様書には出口温度90℃と書いてあるよ。

業者 これは冬期の定格出力時の能力で、今の高い外気温度では必要ありません。

所長 仕様書通りに能力が出ないと困るよ。

業者 夏期は上がりませんが、冬期には90℃まで上がります。

所長 今すぐ上がるようにしてよ。

業者 この冬に性能検証をします。給湯量は今、十分に間に合っています。

所長 今すぐ必要なんだよ!仕様書に90℃と書いてるじゃないか!!

業者 それでは、今すぐ冬にしてください・・・・

<解説>
定格性能は目的ではなく手段建築設備の機器は全て機器仕様書があります。そこには一定の条件下で満たすべき能力が記載されています。

いわゆる「定格」性能です。

例えばエコキュートで90℃に沸き上げする場合、給水温度が15℃、出湯温度90℃、外気温度16℃の時の加熱能力と消費電力が記載されています。
これはあくまでも、この条件下での能力です。

建築設備の世界では、このメーカーの定格性能を引用して設計事務所が設計仕様書として記載、施工業者へ入札を行います。
施工業者は原則完成引き渡し時(竣工時)に、この設計仕様書を満たす機器を納入している事を、施主に報告する必要があります。

そもそもエコキュートは、少ない消費電力でお湯を沸かすために開発された商品であり、メーカにとって給湯量を確保出来る事は勿論、省エネルギー性能を最大限にするためにしのぎを削っています。(平均2~3年ごとに効率が上がています)

省エネルギー性能をUPする最も簡単な方法は、必要のない時に無駄な仕事をしない事です。

夏場は給水温度が高いため、出湯温度が低くても問題ありません。
しかし、請負業者の中には、やたらと定格性能にこだわる人がいます。
今回の所長は極端な例ですが、定格性能を守る事だけが契約履行の唯一の方法とばかりに、頑として譲らない人がいます。
定格性能はあくまでも必要な給湯量を確保するための手段であり、目的は必要な給湯量を少ない消費電力で作る事です。
一言お施主様に説明して「冬場に能力検証をします」と言えば、普通認められます。

定格性能は、目的を達成する手段です。

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